餃子とは「いいね」の食べ物だと思うのです。
「わぁすごい!」とか「やった!」ではなく、「いいね」。
例えば、何人かで町の中華料理店に立ち寄ったとします。
誰か一人が「餃子頼まない?」とか「1皿が6個だから、3個ずつ分けない?」などと提案する場面はよくありますよね。もしもそんな提案をされたら、どうでしょうか。
口をついて出る言葉は「あ、いいね!」しかありません。
一人のときでも、メニューの中に「餃子セット」などの文字を見つけたら…どうでしょうか。きっと心の中で「そういうのもあるのか、いいね」といった言葉をつぶやいているはず。実際に注文するかどうかは別としても、ひとまず気になる存在になることは間違いないでしょう。
ともかく餃子には、「いいね」が似合うのです。
これは外食だけでなく、自宅で餃子を焼くときも同様です。
自分でつくったものでもいいし、スーパーで売っている冷凍餃子でもいい。
フライパンの上に皿を被せ、ひっくり返すようにして盛り付けたとき。
カリッとした焦げ目がついた餃子が並んでいるのを見て、「おおー、いいね!」の気持ちが湧かない人はいないでしょう。
餃子は、決して寿司やステーキのようなご馳走ではありません。
しかし、愛すべき「いいね」と共にある。
こういった料理は、そうそうない気がするのです。
『日々是餃子』は、そんな愛すべき「いいね」の世界を探求していきたいと思っています。